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ダブル手帳の障害者読み物

身体障害1級(脳性麻痺)・精神障害3級(発達障害)。文春オンラインなどに執筆しているライターです。多くのヘルパーさんのお陰で、一人暮らしも気付けば10年を超えました。

キャリア官僚無内定者の官庁訪問狂騒曲

この記事では、関西の大学から国家公務員総合職試験に合格し官庁訪問で全落ちした私が、官庁訪問のことを中心に採用プロセスで印象に残った諸々を書いていきます。 まず、国家総合職試験や官庁訪問のあらましについては総合職試験採用情報|国家公務員試験採…

VRと障害者 ―インターネットを侵食する肉体―

私はVtuberが大好きである。ときのそら、富士葵、もちひよこ、ねこます、芙容セツ子、輝夜月、スズキセシル、つのはねあかぎ…(敬称略) 好きなVtuberの方々は他にも数え切れないほどいるが、私が最も感銘を受けた動画はこれである。 誰もがなりたい自分にな…

障害者雇用率水増し問題に関する戦いの記録

本記事では、障害者雇用率水増し問題に関して私が各所に働きかけた結果をまとめておこうと思う。何か世の中に異議申立てしたいという人の参考になれば嬉しい。 はじめにこの問題についての私の主な主張を再度まとめておく。 私は、官庁訪問を経験した障害者…

重度障害者の民間就活事情

本題に入る前に、先に私のスペックを書いておきます。私は脳性麻痺で身体1級の重度障害者です。脳性麻痺のため、歩くことも、支え無しで立つこともできません。常に電動車いすで移動します。上半身にも麻痺があるため、背筋は湾曲し、右手も自由になりません…

無趣味人間とアイデンティティ

皆さんには趣味がありますか。私にはない。 強いて言うなら読書、アニメ鑑賞、ネットサーフィンをよくやっているが、本当に好きなのかと言われると自信がない。他にやることが無いから惰性でやっているだけのような気がする。同人誌を出したりプログラミング…

身体障害者あるある③一人暮らしするならどの地域か④旅行の難しさ

③一人暮らしするならどの地域か 私は大学進学から今まで一人暮らしをしている。一人暮らしをする時に何よりも重要なことは何か。それは自治体からのひと月当たりの介護サービスの支給時間数である。これが多ければ余裕を持って暮らせるし、少なすぎると最低…

自伝④失恋、東大受験編(高校後半)

前回(下記記事)からの続きである。 double-techou.hatenablog.com 読書や文章を書くことが好きだったので、高校時代は文芸部に入っていた。ここでは小説を書いていたが、そちらの結果は惨憺たるものだった。小説とすら呼べない糞みたいな駄文を生産し、完…

身体障害者あるある①「暴走運転」②落ち物拾いのジレンマ

いきなりタイトルと矛盾したことを書くが、身体障害と一口に言ってもその状態や程度は人それぞれなので、本来は身体障害者あるあるなどというものは書けない。従って、「脳性麻痺の車椅子ユーザー」というカテゴリに絞ったあるあるを書こうと思う。もしその…

障害者雇用率の水増し問題についての主張

中央省庁での障害者雇用率の水増しが明らかになった。実は私は就活時には官僚を目指していて、国家総合職試験、国家一般職試験ともに合格し官庁訪問まで行ったものの、そこで全落ちの憂き目に遭ったのだ。当時の私は、「障害者が国の政策立案の中枢に携われ…

自伝③天狗編(高校前半)

前回(下記記事)からの続きである。 double-techou.hatenablog.com 高校時代はとにかく楽しかった。人生のピークと言える。 エレベーターの設備があり、なおかつある程度の進学校ということで探した結果、通学に長時間掛かることになってしまった。ド田舎だ…

自伝②決別・オタク・排泄編(中学生時代)

前回(下記記事)からの続きである。 double-techou.hatenablog.com 中学校に上がってから劇的に人生がマシになった。 まず、異常な介助員から解放されたことが大きい。また、電動車椅子に乗っても良い年齢となり、自力で移動ができるようになった。移動の際…

自伝①地獄編(小学校卒業まで)

私は小さな真宗寺の長男として生まれました。 脳性麻痺のため、歩くことも、支え無しで立つこともできません。上半身にも麻痺があるため、背筋は湾曲し、右手も自由になりません。 両親はそうした現実が受け入れられなかったのでしょう。不幸にも、ドーマン…

発達飲み会での不思議な体験

一年くらい前、発達障害者やそれに類する傾向を持つ者ばかりでオフ会(飲み会)をしたことがある。私は集団が大の苦手で、特に飲み会などは普通ならば絶対に参加しない。しかしこの時は非定型発達者ばかりが集まるということで、もしかしたら分かり合えるか…

「障害者が住みやすい社会は皆が住みやすい社会」は本当か

障害者福祉や合理的配慮を推進する際の根拠として「障害者が住みやすい社会は皆が住みやすい社会」ということがよく言われる。しかし、これは本当だろうか。また、仮にそうでないとすれば障害者が住みやすい社会を作ることの根拠はどこに求めればよいのか。…

人生相談の暴力性と難しさについて

この前読了した本がこちら。 哲学の先生と人生の話をしよう 作者: 國分功一郎 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2013/11/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る お悩み投稿に対して哲学者國分功一郎が答えていくという形式である。読…