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ダブル手帳の障害者読み物

身体障害1級(脳性麻痺)・精神障害3級(発達障害)。文春オンラインなどに執筆しているライターです。多くのヘルパーさんのお陰で、一人暮らしも気付けば10年を超えました。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 障害福祉サービスの世界には、相談員(介護保険制度におけるケアマネに相当)という人達がいます。先週、相談員の度重なる傍若無人な振る舞いについに堪忍袋の緒が切れ、契約の解除を申し入れました。どのようにやばかったかということを具体的に列挙しても、皆様の胸糞を悪くするだけで何の面白味もないのでしません。まあ漠然と言うと、とにかく報告連絡相談が壊滅的にできない、約束を度々破った上何の連絡も無い、平気で嘘を付く、暴言を吐く、×100回という感じです。

 そういうわけでめちゃくちゃ腹は立つんですが、この人一人を狂人として片づければ良いという問題ではない、構造的な問題であるというのがこの記事の本旨です。何故なら、私はもう一人相談員を経験しているのですが、その人も輪をかけて狂人だからです。しかも周りに話を聞いてみると、似たようなトラブルはそこらじゅうで起こっているようです*1

 では一体何故なのか。端的に言うと、国が決めた相談支援の報酬体系が儲かりようが無いものになっているからです。年に一回利用者と何回もやりとりを重ねながら手間暇かけて介護計画を作って、年がら年中介護事業所と利用者とのトラブルを仲裁し、定期的に利用者の家を訪問し、それで報酬はたったの数万円です。割に合うわけがありません。

 そうなると、相談事業をやる主体は三つに分かれます。一つは、介護サービス事業との相乗効果を狙う事業所。相談支援によって介護計画作成に携われれば、その利用者を自社の介護サービスに誘導しやすくなります。また、自社が介護サービスに入っている利用者の介護計画は、少ない労力で作ることができます。ただしこれには利用者にとってはデメリットもあります。利用している介護事業所と利害関係がないからこそ、利用者は相談員の公平さを信頼してなんでも相談できますし、第三者的な相談員の存在が介護事業所への牽制にもなるわけです。ところが相談支援事業所が介護サービスにも入ってきてしまうと、生殺与奪を握る利害関係者になってしまうわけなんですね。これでは意味がない。

 二つ目は、少ない報酬でもバリバリ働く、有能かつ社会貢献欲求に溢れた、生き仏みたいな人です。

 三つ目は、あまりにも狂っていて他にできることが無いため、どんな割の悪い仕事でもやるしかないという人です。

 少なくとも私は二つ目の類型の人に出会ったことがありません。超希少種です。でもいるところにはいるらしいのでそれを期待してガチャを回し続けるしかないですね。

 短いですがおわり。

*1:もちろん、まともな人も数は少ないですがいらっしゃいます。