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ダブル手帳の障害者読み物

身体障害1級(脳性麻痺)・精神障害3級(発達障害)。文春オンラインなどに執筆しているライターです。多くのヘルパーさんのお陰で、一人暮らしも気付けば10年を超えました。

中高生に贈るブックリスト&伝えたい言葉

 ここ数カ月間、私が選りすぐった本を母校に寄贈するという計画に取り組んでいた。諸事情により実現しなかったのだが、せっかく頑張って選書し、「みちくさ文庫」という文庫名も決め、文庫創設の言葉まで用意していたので、広く中高生に向けた内容としてブログに掲載することにした。

 ブックリストはきちんと統一的な表記法になっていないことをご容赦頂きたい。また、個人情報の特定に繋がる部分は若干の改変を行った。

みちくさ文庫 創設によせて

 20✖✖年、私はこの高校に入学しました。常時車椅子で生活する重度身体障害者である上、中学校にもろくに通っていなかった私を拾ってくれた母校には感謝してもしきれません。ここで過ごした三年間は人生の中で最も楽しい時間であり、私の宝物です。
 でも、中には学校生活が楽しくないという人もいるでしょう。勉強ができない、人間関係がつらい、学校の雰囲気に馴染めない…… 理由は様々でしょうが、そういう人に私から言いたいことがあります。それは、あなたは決してダメな人間なんかではないということです。嘘だと思う人は、騙されたと思って「みちくさ文庫」を手に取ってみてください。きっと、世の中には様々な考え方や環境が星の数ほどあることが分かり、あなたが今直面している状況を相対化することができると思います。それによって少しだけ楽になれるかもしれません。
 「立派な大人」や「正しい生き方」なんてこの世には存在しません。この世界に生きる誰しもが山盛りの欠点を抱えながらわけもわからず日々苦しみに身をよじらせています。そんな世界で、あなたはあなたなりのやり方でなんとか生き延びていってほしいです。どんな形であれ、生きているというだけでもそれは素晴らしい偉業です。そしていつか、あなたの生き方をあなた自身が肯定できる日が来ることを願ってやみません。

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