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ダブル手帳の障害者読み物

身体障害1級(脳性麻痺)・精神障害3級(発達障害)。文春オンラインなどに執筆しているライターです。多くのヘルパーさんのお陰で、一人暮らしも気付けば10年を超えました。

アニメを公共事業にすべき理由 ―公共財としてのアニメ―

ここ十数年、アニメは文化のメインストリームにいる。にも関わらず、アニメ業界が儲かっているという話を聞いたことがない。私の考える理由はシンプルである。つまり、アニメは公共財であるにも関わらず、そのように認識されていないからである。 まず、公共…

自民党議員の下でのインターンシップの思い出

一時期政治家を目指していたこともあり、大学在学時に二カ月ほどとある若手政治家(以下A先生)のインターンシップに参加した。全く知らない世界で色々と面白かったのでその時の体験を書いていきたい。 A先生の人物像 自民党所属の若手都道府県議会議員。…

自伝⑤ぼっち編(大学時代)

私の大学時代を一言で総括すると、与えられたモラトリアムの中で自分のしたいことを探し求め、ついに見つけることができなかった過程と言うことができる。 大学入学当初の私はやる気に満ち溢れていた。大学で人脈を作りまくって脱オタしてリア充になるぞ。そ…

身体障害・精神障害の社会モデルとその違い

私は身体障害と発達障害の両方を持っているが、身体障害者及びその周辺と発達障害者及びその周辺を比べた時、「障害の社会モデル」の考え方の浸透具合が全く違うことに驚かされる。 身体障害者やその周辺(支援者・介護者・行政・医療関係者など)では、「障…

アニメの中の障害者キャラクター

私は重度障害者のアニオタだが、もっと障害者がアニメに何の理由もなく出てくるようになってほしい。そこで、本記事ではアニメにおける障害者キャラの取り扱いについて考察する。 まず、日本のアニメに出てくる障害者のうち、殆どは後天性の障害者である。何…

障害者が簡単に作文コンクールに入賞する方法

私は作文や読書感想文のコンクールで県最優秀賞を三回取ったことがある。ただ、何か中身のあることを書いたわけではない。今読み返してみても寒気がするほど薄っぺらい内容だ。裏を返せば内容が薄くともポイントさえ押さえれば、この種のコンクールにおいて…

キャリア官僚無内定者の官庁訪問狂騒曲

この記事では、関西の大学から国家公務員総合職試験に合格し官庁訪問で全落ちした私が、官庁訪問のことを中心に採用プロセスで印象に残った諸々を書いていきます。 まず、国家総合職試験や官庁訪問のあらましについては総合職試験採用情報|国家公務員試験採…

VRと障害者 ―インターネットを侵食する肉体―

私はVtuberが大好きである。ときのそら、富士葵、もちひよこ、ねこます、芙容セツ子、輝夜月、スズキセシル、つのはねあかぎ…(敬称略) 好きなVtuberの方々は他にも数え切れないほどいるが、私が最も感銘を受けた動画はこれである。 誰もがなりたい自分にな…

障害者雇用率水増し問題に関する戦いの記録

本記事では、障害者雇用率水増し問題に関して私が各所に働きかけた結果をまとめておこうと思う。何か世の中に異議申立てしたいという人の参考になれば嬉しい。 はじめにこの問題についての私の主な主張を再度まとめておく。 私は、官庁訪問を経験した障害者…

重度障害者の民間就活事情

本題に入る前に、先に私のスペックを書いておきます。私は脳性麻痺で身体1級の重度障害者です。脳性麻痺のため、歩くことも、支え無しで立つこともできません。常に電動車いすで移動します。上半身にも麻痺があるため、背筋は湾曲し、右手も自由になりません…

無趣味人間とアイデンティティ

皆さんには趣味がありますか。私にはない。 強いて言うなら読書、アニメ鑑賞、ネットサーフィンをよくやっているが、本当に好きなのかと言われると自信がない。他にやることが無いから惰性でやっているだけのような気がする。同人誌を出したりプログラミング…

身体障害者あるある③一人暮らしするならどの地域か④旅行の難しさ

③一人暮らしするならどの地域か 私は大学進学から今まで一人暮らしをしている。一人暮らしをする時に何よりも重要なことは何か。それは自治体からのひと月当たりの介護サービスの支給時間数である。これが多ければ余裕を持って暮らせるし、少なすぎると最低…

自伝④失恋、東大受験編(高校後半)

前回(下記記事)からの続きである。 double-techou.hatenablog.com 読書や文章を書くことが好きだったので、高校時代は文芸部に入っていた。ここでは小説を書いていたが、そちらの結果は惨憺たるものだった。小説とすら呼べない糞みたいな駄文を生産し、完…

身体障害者あるある①「暴走運転」②落ち物拾いのジレンマ

いきなりタイトルと矛盾したことを書くが、身体障害と一口に言ってもその状態や程度は人それぞれなので、本来は身体障害者あるあるなどというものは書けない。従って、「脳性麻痺の車椅子ユーザー」というカテゴリに絞ったあるあるを書こうと思う。もしその…

障害者雇用率の水増し問題についての主張

中央省庁での障害者雇用率の水増しが明らかになった。実は私は就活時には官僚を目指していて、国家総合職試験、国家一般職試験ともに合格し官庁訪問まで行ったものの、そこで全落ちの憂き目に遭ったのだ。当時の私は、「障害者が国の政策立案の中枢に携われ…